読書のっっっ!!

“恋愛のさなかにいる君、恋の詩をつづる君、恋の歌を歌う君よ。
周囲の人間に、馬鹿にされるだろう、笑われるだろう、身の程知らずだと、おのれを恥じる気持ちにも、なるだろう。だかそれが、何だというのか。
君は戦闘にいる。恋という戦闘のさなかにいる。誰がそれを、笑うことが出来ようか。
君は炎上している。
その炎は、きっと誰かを照らす。煌々と。熱く。
君は、炎上している。”

 

『炎上する君』の一節である。

 

個性的な二人の女性の銭湯での軽妙なやりとりから始まるこの話は、最後にこんな言葉で終わっていく。

 

美しくて、力強い。

 

“あなたの意識があなたの体から抜け出していくと思ったときと同じように、あなたと、空気の間の境界線がぼやけ、他の皆のそれらと混ざり合い、あなたは水の中で、足を抱えて浮いているような、静かな安心感の中にいた。”
(『舟の街』より)

 

彼女の言葉は、時に強く、時に柔らかく、それを読む私を今までに置いたことのない、でもどこか懐かしいような感覚の中に誘う。
読んでいる途中に何度も、思わず目を閉じたくなるような、そしてしばらく開きたくないような、なんとも心地良い感覚に。

 

「一風かわった物語の中で読み手が迷子にならないのは、己の存在意義に苦悩する登場人物にリアルな共感を持てるからだろう。そして、何より著者が紡ぐ言葉からこぼれる優しさと熱に身に覚えがあるからだろう。」

 

又吉直樹(ピース)よ・・・まったくその通りだよ。笑

 

自分の中にあるモヤモヤとした感覚が誰かの言葉によって明確になっていくあの瞬間が堪らなく良い。一度味わっている感覚が蘇ってくるあの瞬間も。

 

そうかと思えば、

 

「どうです、エクレアでもすごく見つめてみませんか。」(『舟の街』より)

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などと、思わず噴き出しそうなセリフや表現が突如現れる。喜怒哀楽に満ちた日常を思い返さざるを得なくなる。 こちらがどこで読んでいるかなんて考えていないので油断ができない。笑

 

彼女の作品には、そんなフレーズが詰まっている。

 

短編集も短編集だが、エッセイ集もすごい。
もう、題名がすごい。笑

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傾けていたグラスの中身が残り僅か。
本を閉じるか、次の短編を読み進めるための一杯を注文するか・・・

 

そんなお供になる一冊になるかと。

 

私の大好きな西 加奈子さんの本。
気になった方はTAOの本棚に手を伸ばしてみてください!!image

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