こんにちは。
膨大な範囲の試験勉強に追われる九医の窮鼠こと山本です。
昨日、10日間の東京出張から帰福しました。
今回の滞在では、
TAOスタッフOBで九大医学部の先輩でもある、東京で活躍されている医師の進谷先生とお話しさせていただいたり、
お世話になったシェアハウスの住民と夜の1時に公園で取ったセミを生きたまま丸ごと素揚げにして食べたり、
企業インターンの事業構想コンペで優勝して美味しい金箔入りシャンパンとTボーンステーキをご馳走になったり、
自称ディズニープリンセスの女の子から初対面にも関わらず「あなたのことをエリックと呼ばせて」と言われたり、
と様々な濃い経験をさせていただきました。
詳しい内容はTAOでお話しさせてください。続きはTAOで。
さて、今日は東京滞在中に最も感動したことについて記したいと思います。
友人が企画する医療系学生のキャリアを考えるイベントに参加したときのことです。
医療界で活躍する様々な講師陣をお招きし、自身の取り組みについて講演していただくこのイベント。医師だけでなく、IT、IoT、CG、ロボット等、様々な業界の方が登壇されました。
その中でもとびきり異質なオーラを放っていたのがこちらの方。
株式会社オリィ研究所所長、「オリィ」こと吉藤健太朗氏です。
簡単なプロフィールを以下に示します。
(プロフィールはHPから引用)
自身のひきこもり経験から、孤独の解消を目指す吉藤氏。
そんな想いから開発したOriHimeは、あなたの分身となるロボット。
子育てや単身赴任、入院など距離や身体的問題によって行きたいところに行けない人のもう一つの身体、それが「OriHime」です。
OriHimeにはカメラ・マイク・スピーカーが搭載されており、家や会社など行きたいところに置き、インターネットを通して操作できます。OriHimeを操作することで、周囲を見回したり、あたりの人と「あたかもその人がそこにいるように」会話できます。
OriHime、可愛くないですか?可愛いですよね。
隣のお姉さんの方が可愛いという声も分かりますが、いまはロボットに注目してください。
会場では実際に、OriHimeを通じて岩手県盛岡市に住む番田さんとお話しすることができました。
番田雄太さんは、4歳のとき交通事故による頸椎損傷で呼吸補助機器が手放せない肢体不自由者となり、以来22年間病院で暮らしてきました。寝たきりの状態で外部との接触が失われると、人との出会いが遮断される。それは「孤独」を引き起こし、自分の価値を見失い、生きる気力を奪います。人との関わり方に悩み、大きな苦痛と精神的ストレスに襲われていた番田さんの人生を変えたのは、吉藤氏、そしてOriHimeとの出会いでした。
顎を使ってOriHimeを操作することで、人とのリアルな繋がりが生まれる。肢体不自由でも強い意志を持ち、その意思を誰かに伝えることができる。社会に参加することができる。
現在番田さんは株式会社オリィ研究所の社員として、OriHimeを通じて東京での会議に参加したり、全国で講演を行ったりしています。
誰かの役に立つことで、人は幸せを感じると言います。
寝たきりでも、心が自由ならなんでもできる。生きることがきっと、楽しくなる。
どんなに遠く離れていたとしても、いかに身体が不自由だったとしても、強い意志を持ち、想いをカタチにし、社会に参加できる未来。それが彼らの目指す世界です。
年に一度しか会えない織姫と彦星のような、遠い存在を繋げてくれるロボット・OriHimeの紹介でした。
それではさようなら。